水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2018年度研究発表会
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【河川・湖沼】
湖沼水温推定精度向上のための効果検証―印旛沼を例として―
*綿貫 翔山田 正
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キーワード: 熱収支, 水温, 湖沼, 最適内挿法
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p. 198-

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抄録

近年,パリ協定や国連サミット等で水問題解決に関わる諸スキームが相次いで採択されている.これらが共通していることとして,水域の計画的な管理がある.水域の管理をする上で,水域の状態をモニタリングやシミュレーションを通じて,正確に理解しておくことが必要である.特に,その水域の中で,日本の湖沼は世界と異なり,治水と利水の両方を担い,その利水状況も多岐に亘ることが多い.そのため,湖沼環境の変化は多方面に影響を与える可能性がある.
水質項目の中でも,水温は湖沼の性質を知る上で,重要な水質項目であり,他の水質項目や生態系に影響を与える.利水先に着目すると,水温の変化は,コメの白濁化による農業従事者の所得の低下や浄水場のコスト増大等を引き起こす.そのため,水温を正確に知ることは,水温に関連した問題の程度や度合いを知るために重要である.しかし,水温のシミュレーションにおいて,年間を通じて,観測値と計算値の差が常に1 ℃以内とするのは,非常に難しく,そのような計算手法は著者が知る限り存在しない.
そのため,本研究では,データ同化手法の一種である最適内挿法を熱収支法に実装し,水温の推定精度向上を目的とする.検証では,水温の推定結果と観測値との差が1℃以内となった年間日数の変化を調べる.

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© 2018 水文・水資源学会
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