2022 年 2022 巻 FIN-028 号 p. 124-
金融機関の取引データを活用すると,企業の活動をリアルタイムで把握することが可能である.これらのデータを有効活用すれば与信管理をはじめ,CRM 等にも活用使途が見出せる.一方,主要な取引先以外の企業については取引量が少ない等,データ活用上は注意を要する.すなわち,潜在的な取引を見逃している可能性がある.本問題に対し,取引主体をノード,取引有無をエッジとした企業間ネットワークを構成すれば,取引有無の予測は本ネットワーク上のリンク予測問題として定式化できる.昨今のグラフ上の深層学習の進展に伴い,より精度の高いリンク予測が可能となった.本研究では,最近のグラフ深層学習手法を使った潜在的な取引予測について紹介する.