日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
前作および土壌水分が飼料用トウモロコシの不耕起栽培における 播種深度と苗立率に与える影響
横石 和也馬木 康隆福井 弘之松尾 守展橘 保宏
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2014 年 59 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

前作の栽培作物および耕起の有無により,4 種類の前作条件(出穂期刈イタリアンライグラス (IR)跡の不耕起地,伸長期刈IR 跡の不耕起地,前年作トウモロコシ跡の不耕起地および出穂期刈IR 跡の耕 起地)と2 水準の土壌水分量を設け,不耕起対応播種機で播種されたトウモロコシの播種深度と苗立率を調査 した.残根量が多い出穂期刈IR 跡地では,散水により土壌水分量を増加させると,土壌硬度が低下し,深く 播種することが可能となった.播種深度1.9 cm から5.6 cm において3.0 cm より深く播種した場合,耕起地 に対する不耕起地の苗立率の比は同一の散水条件下で87.5%から104.3% となった.以上の結果より,前作の 残根量が多い不耕起地でも,降雨後などで土壌水分量が高ければ,シングルディスク方式の不耕起播種機で深 さ3.0 cm より深く播種することは可能であり,慣行の耕起地と同程度の苗立率を得ることができると示唆さ れた.

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© 徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究課 農研機構生物系特定産業技術研究支援センター
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