日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
原料および産出時期が焼酎粕濃縮液の飼料成分に及ぼす影響
服部 育男佐藤 健次鈴木 知之神谷 充加藤 直樹
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2010 年 53 巻 2 号 p. 175-181

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抄録

焼酎粕濃縮液を原料が異なる4工場から経時的にサンプリングし,飼料成分の特徴と変動および発酵TMR原料を想定した場合の発酵品質に及ぼす成分について調査した.焼酎粕濃縮液の飼料成分は原料によって大きく異なり,米,麦焼酎粕濃縮液は高エネルギー、高蛋白,カンショ焼酎粕濃縮液は高エネルギーの特徴があった.原料が単一の場合,年間を通じて変動が比較的大きいのは乾物率で,含量が多い粗蛋白質,可溶性無窒素物は変動が小さかったことから,飼料成分は原料と乾物率を確認することで,ほぼ特定できることが明らかとなった.一方,原料が単一でない場合は粗蛋白質は含量も多く,変動も大きいこと,また他の成分も比較的変動係数が大きかったことから,原料構成の確認と成分分析が必要であると考えられられた.発酵に影響を及ぼす成分は,低pHであることから正の影響と緩衝能が高いこと,糖含量は高いが5炭糖が主であることから,負の影響も考えられた.

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© 2010 日本暖地畜産学会
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