2016 年 60 巻 4 号 p. 204-208
多軸制御エンドミル加工は各産業に広まり,さまざまな製品製造に向けた高度化が求められている.工具経路間隔はエンドミル加工において加工後の表面性状と生産効率の適切なバランスを考慮できるパラメータの1つとして知られているが,実用に際してその指針の多くは未知である.既報では,5軸制御スクエアエンドミル加工において,ねらいのスカロップ高さを実現する工具経路間隔を精度よく求める推定式を提案した.本報では工具進行方向の傾きのみを考慮して,その式の適切性・予測性について実験的に検証し,スカロップ高さの理論値と実験値を比較することで,実用に値する精度で工具経路間隔を計算可能かについて数値的に明らかにした.