2013 年 57 巻 9 号 p. 594-599
本研究では,卓上精密旋盤を用いて形状精度の高い微細軸を作製する手法について検討した.旋削加工を行う際に生じる切削力のうち,背分力は軸の寸法や形状精度に影響を及ぼす.旋削条件のうち,工具のノーズ半径,アプローチ角および切込み量を適切に設定することで背分力を抑制する加工条件について検討した.その結果,背分力をゼロに抑制することが可能であることを示し,軸径50μm,長さ1mmの微細軸を旋削加工により作製することが可能であることを示した.また,切削抵抗に関する実用式と実験結果の比較を行い,その差異の要因について検討した.