農業農村工学会論文集
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研究論文
ジオシンセティッククレイライナーを用いて改修されたため池堤体の現地水位計測
澤田 豊眞木 陸神信 浩一谷本 幹夫中澤 博志河端 俊典
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2019 年 87 巻 2 号 p. I_357-I_363

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抄録

近年, 刃金土不足などにより, ジオシンセティッククレイライナー(GCL)を用いたため池改修が増加しているが, その設計手法は確立されておらず, 長期性能も検証されていない.本研究では平成17年度にGCLにより改修されたため池を対象にその遮水機能の保持を検証するとともに浸潤線の位置を検討するため, 堤体内および池内の水位を約1年間現地計測した.また, 当現場を対象に, FEM浸透流解析を実施し, 浸潤線の位置推定に関して解析の適用性を検討した.現地計測結果より, GCLの遮水機能は十分に保持されていることが明らかとなった.また, 本計測期間内に生じた豪雨により, 浸潤線は1m以上上昇することが明らかとなった.さらに, FEM解析と現地計測結果は比較的良好な一致を示した.GCL無しの解析結果との比較からGCLによる浸潤線低下ならびに漏水量減少が示された.

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© 2019 公益社団法人 農業農村工学会
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