農業農村工学会論文集
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放射性セシウム除染と戦略的農地資源保全
有田 博之橋本 禅吉川 夏樹原田 直樹保高 徹生野中 昌法岩崎 有美宮津 進
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2012 年 80 巻 6 号 p. 555-561

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抄録

東日本大震災後の放射性物質による被害の復旧対策の一つとして放射性セシウム(Cs)の除染が求められおり,農林水産省は農地への対策を実施しようとしている.しかし,効果的な復旧につなげるには,除染だけではなく,区画整理を初めとする対策の戦略的・総合的な実施が求められる.本論ではCsによる負荷の特徴を空間的広がり,土地利用,土地改良,労働環境の側面から検討し,以下の観点から提案を行った.①除染対策の実施においてはCsの封じ込め,拡散防止,長期の安全確保を原則とし,農地を生産環境・労働環境の両側面から改善する.②除染の効果的実施のための戦略的取り組みを総合的・一体的に行うとともに,除染をこれらとの関係の中に位置づける.

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© 2012 公益社団法人 農業農村工学会
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