農業農村工学会誌
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帯水層を利用した地球温暖化緩和技術
石田 聡稲本 暁小林 郁雄今泉 眞之
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2008 年 76 巻 11 号 p. 977-980,a1

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抄録

地球温暖化を緩和する技術として, 帯水層蓄熱技術を紹介する。この技術は帯水層に冷温水を涵養し, 半年後に回収して熱源として利用するもので, 約3万トンの温水を涵養した実験では, 43%の熱エネルギーを回収することができた。エネルギーの回収率は涵養から回収までの期間, 涵養量などによって変化する。また回収水を熱源とした育苗試験を行い, 電気エネルギーを利用した栽培と同等の効果を確認した。本技術は, 回収水を施設園芸等の熱源として利用することにより, 加温装置に使用する化石燃料や冷房に使用する電力の低減を可能とするもので, 温室効果ガス排出削減対策の一つとして期待される。

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© 社団法人 農業農村工学会
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