臨床血液
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米国におけるCOVID-19感染症と血液悪性腫瘍患者のケア
皆川 健太郎峯石 真
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2021 年 62 巻 8 号 p. 998-1003

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抄録

Coronavirus disease 2019(COVID-19)のpandemicは,私たちの地域においても深刻な事態に見舞われた。2020年3月には緊急の移植を除いてすべての移植をストップせざるを得なくなった。現在すべての入院患者,手術患者はCOVID-19の検査,スクリーニングを行っている。陽性が確認された場合はCOVID-19病棟に転棟となり,専門チームがケアにあたる。チーム医療により,移植・細胞療法・血液疾患チームは通常通りの業務を行うことができる。移植後患者でも治療の意思決定は感染症専門医が行い,原則として一般のCOVID-19感染患者と同様に治療している。現在,ワクチンの接種に関してはCDCのガイドラインに基づき急ピッチですすめられている。我々の施設で,COVID-19の院内感染が疑われる状況が起こった際には医療従事者全員に検査を行い,その後入院患者全員に週1回のCOVID-19検査を実施し,この状況を切り抜けた。いまだにCOVID-19の対策は手探り状態が続いているが,ワクチンの普及とともに,感染が終息する兆しも見え始めている。

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© 2021 一般社団法人 日本血液学会
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