日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
12年前から宮崎県に存続している遺伝子型3型E型肝炎ウイルスによるE型急性肝炎の2症例―1例での急性末梢性顔面神経麻痺の合併―
中村 仁彦楠元 寿典落合 俊雅川越 富夫田井 博松岡 均中野 達徳永田 賢治下田 和哉岡本 宏明
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2015 年 112 巻 8 号 p. 1533-1541

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抄録

宮崎県内で同時期に2例のE型急性肝炎症例を経験した.2例に交友関係,共通の生活歴はなかった.両症例のE型肝炎ウイルス(HEV)株は,遺伝子配列の解析から近縁ではあるが同一株ではなく,感染源は異なると考えられた.2例のHEV株はともに12年前に同県内の飼育ブタから検出された遺伝子型3型株の子孫と考えられ,このウイルスが宮崎県内で存続していることが証明された.1例は急性末梢性顔面神経麻痺を合併した.

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© 2015 (一財) 日本消化器病学会
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