2015 年 24 巻 1 号 p. 1-6
要旨:【目的】われわれは孤立性腸骨動脈瘤に対して企業製ステントグラフト脚(Gore® Excluder® leg)を用いた血管内治療を行っており,その成績について検討を行った.【方法】2009 年10 月から2014 年4月まで当科で治療を行った24 例に対しretrospective に評価を行った.【結果】総腸骨動脈瘤(CIAA)が13例,内腸骨動脈瘤(IIAA)が11 例であった.以前に腹部大動脈瘤に対して人工血管置換術を受けた9 例も検討対象に含めた.手術時平均瘤径はCIAA 群38 mm,IIAA 群47 mm であった.初期成功率は100%で,周術期の重篤な合併症はみられなかった.術後平均追跡期間はCIAA 群で25.3 カ月,IIAA 群で19.9カ月であり,CIAA 群は全例とも瘤径は縮小した.IIAA 群の1 例にendoleak に対して追加治療を行った.【結論】本治療の周術期および中間期成績は良好であると考えた.