小児耳鼻咽喉科
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当院における小児めまい症例の検討
神前 英明福井 潤清水 猛史
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2007 年 28 巻 3 号 p. 235-238

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抄録

めまいを主訴に受診する患者層は中高年齢が多いため,小児のめまい症例は比較的頻度は少ない. 幼少時の場合は問診での診断が難しく,検査も充分に行えない. また,初診時は小児科を受診することも多いと予想される. そこで過去10年間に当院耳鼻咽喉科,小児科にて取り扱った小児めまい症例98名について検討した.
乳幼児期の症例は98例中6例と少なく,学童期になるにつれ患者数は増加傾向にあった. 全身性34例(34.7%),内耳性27例(27.6%),中枢性12例(12.2%),心因性9例(9.2%),障害部位・原因不明16例(16.3%)であった. 疾患別では起立性調節障害が32例と最多であった. 内耳性疾患では良性発作性頭位めまい症,内耳炎が7例とそれぞれ多かった. 実際のプライマリーケアは小児科で行われることが多いため,診断・治療には小児科,耳鼻咽喉科,それぞれの長所・特性を生かした連携が望ましい.

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© 日本小児耳鼻咽喉科学会
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