新幹線の走行騒音の主要な音源の1つである台車騒音を対象に, 逆L型防音壁の遮蔽効果を時間領域有限差分法 (FDTDM) を用いて解析した。FDTDMを用いた数値計算では, 台車からの音の伝搬を2次元の円筒波として扱った。数値計算結果より, 逆L型防音壁の内側を吸音処理することで遮蔽効果が大きく改善すること, 1mの反射性直壁で嵩上げする対策よりも逆L型の天板上に0.3m高さの吸音体を付ける対策の方が効果的な改善策であることが分かった。また, 数値計算の結果から, エッジ周りの音響エネルギーが逆L型防音壁の遮蔽効果に大きく寄与していることが示唆された。更に, 縮尺1/25の3次元の模型実験及び実物防音壁を用いたフィールド実験を行い, 2次元のFDTDMによる数値計算の結果を検証した。