日本物理学会誌
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拡張アンサンブル法によるタンパク質の折り畳みシミュレーション
杉田 有治光武 亜代理岡本 祐幸
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2001 年 56 巻 8 号 p. 591-599

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抄録

タンパク質などの多自由度の系では,エネルギー極小状態が無数に存在するため,従来の手法による計算機シミュレーションでは,それらのエネルギー極小状態に留まってしまうという難点がある.筆者らはこの困難を克服する手法として,拡張アンサンブル法の適用を主張してきた.この方法は非ボルツマン因子に基づいており,ポテンシャルエネルギー空問上の一次元酔歩を実現することにより,エネルギー極小状態に留まるのを避ける.本稿では,よく知られている三つの拡張アンサンブル法(マルチカノニカル法,焼き戻し法,及びレプリカ交換法)とその改良版について解説し,それらのタンパク質の折り畳み問題における適用例を紹介する.

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