1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 239-244
新しいアザライド系抗生物質azithromycin (AZM) について, 各種呼吸器感染臨床分離菌ならびに各種クラミジア標準菌株に対する抗菌活性を検討し, 他剤と比較した。また, 呼吸器感染症11例を対象に本剤を投与してその臨床効果, 安全性を評価して各々以下の成績を得た。
1) AZMのStaphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniaeのグラム陽性菌群に対する抗菌活性は, clarithromycin (CAM) やroxithromycin (RXM) に劣るものであったが, Haemphilus influenzae, Moraxella catarrhalisでは, それらに1~2管優る結果であった。
2) Chlamydia psittaci, Chlamydia pneumoniae, Chlamydia trachomatisに対するAZMのMICは, 各々0.125μg/mlで, erythromycin (EM) には優るもののCAMには劣る結果であった。
3) 呼吸器感染症11例に対する本剤1回250~500mgの1日1回, 3日間投与での臨床効果は, 著効4, 有効6, やや有効1と良好で, 重大な副作用もみられなかった。