CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
呼吸器感染症に対するcefozopranの有用性の基礎的・臨床的検討
二木 芳人角 優中林 美枝子窪田 好史橋口 浩二木村 雅司玉田 貞雄吉田 耕一郎多田羅 治中島 正光守屋 修沖本 二郎副島 林造
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 41 巻 Supplement4 号 p. 221-226

詳細
抄録

新しく開発された注射用セフェム系抗生物質cefozopran (CZOP) の主要呼吸器感染症病原菌に対MICを測定し他剤と比較した。また, 呼吸器感染症12例に本剤を投与してその有効性・安全性を評価した。1) CZOPのMSSA, MRSAおよびStreptococcns pnenmoniaeに対する抗菌活性は, imipenem/cilastatin (IPM/CS) には劣るが, Ceftazidime (CAZ)やCefpirome (CPR) より優れていた。グラム陰性菌群に対するCZOPのMICはMoraxella (B) calarrhalisを除きCAZ, CPRと同等であった。
2) 呼吸器感染症11例に対するCZOPの臨床効果は, 著効3, 有効6, やや有効1, 無効1例と良好で, 12例全例で副作用は見られなかった。
3) 本剤投与後, 1例で好酸球増多を, また2例で血清アミラーゼ高値を認めたが, いずも軽度, 一過性であった。
以上の結果, CZOPは呼吸器感染症の治療にCAZやIPM/CS同様有用であることが示唆された。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top