生体医工学
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組織片選別のための流路一体型ハイパースペクトル計測システムの開発
須田 修矢池内 真志生田 幸士
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S61_1

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抄録

近年,日本では晩婚化に伴って父母の平均年齢が増加し,不妊治療を受診する女性が増えている.不妊治療の一環として,腹腔鏡手術によって卵巣を一部摘出し,in vitroで卵巣組織を培養して,原始卵胞を人為的に活性化するIVAと呼ばれる手法がある.この手法は,早発卵巣不全に対する従来のホルモン療法や排卵誘発剤よりも効率よく卵子を獲得することができ,妊娠率の上昇が期待されている.しかし,IVAでは,活性化した卵巣組織を女性の体内に戻す際,卵胞の有無を判別することなく,ランダムに組織片を移植していた.そこで,本研究では,卵胞の透過スペクトルのパターンには特徴があるという仮説のもと,培養した組織片の中から,卵胞を含む組織片を,ハイパースペクトル情報に基づき選別するシステムを提案する.これによって,組織を染色することなく,従来よりも効率的に有効な卵胞を体内に戻すことができる.本報では,簡便に組織のハイパースペクトル画像を計測するためのシステムとして,マイクロ流路チップ一体型のハイパースペクトル計測系を提案し,そのプロトタイプを開発した.

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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