日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
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Print ISSN : 2186-9545
特集2
神経筋弁移植術
讃岐 徹治湯本 英二
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2016 年 33 巻 4 号 p. 249-253

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抄録

甲状腺癌に対する手術操作や腫瘍浸潤により,一側反回神経麻痺をきたした場合,高度の気息性嗄声のためQOLが著しく低下する。正常音声までの改善には麻痺側声帯の位置を正中位に固定し,声帯筋の収縮により声帯の自然な形態と緊張を回復させることが重要であり,声帯筋の神経支配再建が必要となる。

甲状腺癌術後症例では通常反回神経末梢側の利用が困難なことが多く,神経筋弁移植術と披裂軟骨内転術を併用する。

本術式では術直後より空気力学的検査の改善が得られ,その後経時的に聴覚印象が改善し正常音声までの回復が期待できる。

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