腸内細菌学雑誌
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総  説
腸内フローラへの介入と腸管免疫修飾による動脈硬化予防
山下 智也笠原 和之佐々木 直人平田 健一
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2014 年 28 巻 1 号 p. 1-5

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抄録
腸管は栄養や水分を吸収するのが主な機能の臓器ではあるが,免疫臓器としての役割とその重要性が注目されている.最近の研究の進展によって,腸内細菌の種類と腸管免疫調節との関係,そして常在腸内細菌叢(腸内フローラ)と疾患発症との関連性が解明されつつある.特に,腸内細菌叢と肥満,そして糖尿病をはじめとする代謝性疾患の発症との関連性が報告されており,疾患の予防を目的とした治療的介入も視野に入れた研究が進められている.同様に,動脈硬化研究の領域でも,腸内細菌叢の病態への関与や,腸管免疫修飾による新規予防法の取り組みなどの報告があり,我々も腸管からの動脈硬化予防法の開発研究を進めている.本稿では腸管と動脈硬化との関連性に注目して,今まで報告された研究成果をふまえて,今後のこの研究分野の展望について考えてみたい.
引用文献 (13)
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© 2014 (公財)日本ビフィズス菌センター
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